私の、企業型確定拠出年金(DC)の運用と結果

株主還元を優先する企業が増加しています。
いわゆるスタークホルダーへ視線が向けられ始めた頃、勤めていた会社の退職金規程の改定がありました。

退職金の一部をDCに切り替えることになりました。つまり、社員が運用指図者となって、自らの責任においてお金を増やしなさいと言うことです。そうすることで、企業の退職金負担は軽減され、その浮いた原資はステークホルダーへの還元や企業活動に回っていきます。

1.DCの導入研修

2時間程度で終了しました。
「さあ、皆さんマニュアル読んで、いついつまでに手続きしてね。相談や不明な点は、資産管理機関に聞いてくださいね」と言われたわけです。

当時のことを思い出すと、全員が顔を見合わせ、君はどうするのと問いかけるなど、本当に戸惑っていました。そもそもDCなんて聞いたことないし、自分がうまく運用が出来るか解らない。失敗したら、退職金の総額は減額になっても自己責任。そんなこと困るだろう的雰囲気が渦巻いていました。

今まで、何でも会社任せの癖のがついていた社員たちは、ハシゴを外されもう不安で一杯でした。

2.DC導入後の運用状況

当初は、「どうしたら良いの」という疑問が職場に蔓延しておりました。私も当時は、確定給付や確定拠出は何なの?というレベルの人でしたので、まともな商品の選択や運用指図が出来るはずもありません。

2.1 私は何をしたか

とりあえず、株式と債券の2つから選ぶ。株式は海外と国内とに分けて選ぶという単純なものでした。目論見書を参考にしようとしましたが、そもそも投資リテラシーのかけらも無い私ですから、その膨大な資料の中から必要な情報を見つけることは絶対に無理でした。と言うか、資料を読み解く力がありません。

仕方ないので、「エイヤッとやけくそ状態」で、とにかく当時一番運用益の良い商品を上から準に選んだ事を覚えています。

結果として、ハイリスク・ハイリターンの商品で運用を開始したことになります。

開始後は、ネットで運用状況を確認するぐらいで、それを見たからといって有効な対策を講じられるわけでもありません。初めは低迷しておりました。

2.2 私の運用成績

しばらくは利益が出たり出なかったりで、底辺を漂っていましたが、アベノミクスが始まると、あれよあれよという間に運用成績が良くなりました。そのまま安堵してしまい、結局退職するまでの7年間、一度も商品を入れ替えることなく終わってしましました。情けない(;_;)。指図をしたことが無かったのです。

振り返れば、こまめに運用状況をチェックし、的確な指図を行っておけば、収益を上げるチャンスは沢山あったと思います。もう後悔です。その時に投資リテラシーが少しでもあればもっと変わっていたでしょう。

ただ、幸運だったことに、この7年間は、右肩上がりの株価のおかげで誰でも運用益が出せる時期だったということです。

3.全社の運用成績 

一方、DCをうまく活用できていない方も多くおられました。

というのも、DCの運用状況は、自分だけでなく、他の社員全体の運用状況(全体像)も知ることが出来たため、全社の運用成績と自分とを比較することが出来たからです。

3.1 全くリスクテイクしない指図者たち

毎月の運用成績のレポートは、運用益が1%刻みで、その区間の運用者の割合が見られます。
毎月の運用成績は、丁度U字型の分布グラフになっていました。

運用益が、0%以上2%未満の割合が50%程、10%以上の割合が30%強、残りは2%以上10%未満の間を均等に分布していたと言う具合です。

このレポートを7年間見てきましたが、この傾向は殆ど変わりませんでした。
つまり、半分近い方は自助努力していなかったと言うことです。(又はよっぽど酷い商品の選択)

最終的には個人の責任なので、どう運用するかは自由ですが、大切な退職金を増やす制度ですから、少しは頭を使って活用して欲しいものです。

3.2 運用成績の良かった人たちと悪かった人たちの差

私の最終的な運用成績は、アベノミクスに乗っかったので、U字型の右端ぐらいの運用益をだすことが出来ました。(ただただ運が良かっただけですが)

逆に、元本割れを起こした人は殆どない状況でした(とにかく右肩上がりの時代でしたから当然かも)。

ただ、運用益が2%未満の場合は、実質的には退職金総額を減らしている事になるので、半数近くがそういう状況に合ったと言うことです。

3.3 DCの支給時期

DCの裁定請求資料が10月中旬に送られてきました。裁定請求結果が送付されてきたのが12月中旬(あまりにも時間がかかるので本当に貰えるのか少し不安になりました)で、振込日は12月20日でした。すぐには支給されないのですね。(;_;)

4.企業型確定拠出年金(DC) と確定給付企業年金(DB) を知る

確定拠出年金法は、平成13年10月施行
確定給付企業年金法は、平成14年4月施行
どちらもほとんど同じ時期に施行されています。

4.1 そもそも、DBは主に資金力のある大手企業が、DCは中小企業向けだった

厚生年金基金の代行返上により、ほとんどの企業が、企業年金基金に姿を変えDBを導入していきました。
その後、DBを導入していた大手企業でも経費削減を余儀なくされるにつれ、DCも導入するところが増えてきました。

4.2 DBがあるのに、DCが導入されるのは何故?

企業は退職金を準備しておかなければならないのですが、なかなかそうも行かないのです。そこで企業の退職金負担を軽減する目的でDCの導入が進んでいると考えます。

DBの会社負担が2%の運用 ➡ 一部をDCに移行し、社員が2%で運用しなさい。(運用率の2%は仮定です)(下図)

結果、DCを導入することで、DBの負担(会社の負担)が軽減されたことになります。

(2019/04/01 リライトしました)