和解

母は一日中機嫌が悪かった。

【事件は夕食後におこった】

夕飯を食べながら大きなため息を何回もつく。

「飯がまずいのか、何、怒ってんねん」
こっちは気分が悪くなる。

そう言えば、お昼もため息をつきながら食べていたなぁ。
一体、何が気に食わないのだろう。

まさか、味噌汁を出さなかったのが理由か?

夕食を全部平らげた後、突然「食べ足らん」と言いだした。

「食べたいものがあった」といって、冷蔵庫を物色する。
しかし、何が食べたかったのか思い出せなくて機嫌がわるくなっている。

「何が欲しいの。作ってあげるから」と言っても答えられない。

全く、埒があかない。

この後、言い合いになった。

言い合っている内に、母は頭が冴えてきた。

デイサービスから帰った後とか、友達と話すときなど刺激を受けた後は割とまともな会話が出来るようになる。

同じように、「言い合」であっても覚醒する。

「あんたは昨日のあんたと違う」
「あんたとは楽しい会話が出来ない」
「小さい頃はとてもかわいがったのに・・・」等など

どうやら朝からのダメ出ししたことが気に入らないらしい。

確かに、今日は沢山ダメ出ししてしまった。

主な物でも、

① つまみ食いに苦言
私:「つまみ食いしたよね、何食べた?」
母:「・・・」
私:「これ食べたよね」
母:「ぼけているから、忘れたわ・・・」
母:「・・・ 渋々 ・・・ ごめん」

朝の5時から起きているので腹が減るのは仕方がない。
待ちきれずに摘まんだのは塩分のある沢庵だったので意見してしまった。

② 食器洗いで指導
その手に持っているスポンジは食器洗い用で使っている。
なので、シンクの汚れ、残飯を漉すネットの掃除には使わないでほしい。

③ 洗濯物に触らせなかった
洗濯したばかりで、まだ乾いていない服をつまもうとする。
つまむときは、干している洗濯物すべてをつまむ。
一枚つまめば乾いてないことは分かるはずなのに、必ず全部つまむ。
それも、雑草を抜いた手で。

④ 13時半のルーティンワークに指導
夏日で外気温は35度近い。
熱中症警報が出ているのに、雨戸を閉め出した。
風が止まる。

母:「熱い空気が入るから雨戸を閉める。」
私:「昼間から真っ暗は嫌だ、それに閉めれば家中の風が止まって暑い。夕方まで待ちなさい。」

⑤ 17時過ぎ、腹減った、何か食べたいと主張してきたが却下
夕食の時間は、母が18時と決めていた。
「もう少し待てば18時だよ」と言い終わらないうちに、
「何か食べたい。この家にはおやつが無い、何でや、あぁおやつ食いたい」だって。

些細なダメ出しの連発が、母にストレスを与えたのだろうと反省。

【夕食後の言い合いの続き】

お互い納得できない状態が続く。

視点を変えて、「なぜ、雨戸を閉めるのか?」と聞いてみたところ、

「あんたのため」と言った。

え、

「洗濯物も、あんたのためだと」

そして、「こんなに毎日あんたのことを考えて、一生懸動いているのに・・・」

想定外の返事。

どうやら、私は毎日世話をされているらしい。

世話をしているあんたに、ダメ出しされておもしろくないということだ。

何をしても責任能力のない人が相手なので、受け入れるしか解決方法は見つからない。

「わかりました。これからはかあさんの好きにしていいです、悪かったね」と譲歩いたしました。

その夜は、母は満足げに寝室へ行かれました。(-_-メ)

【翌日の母は絶好調】
やりたい放題。
なんでも思うように出来て、気分がいいのだろう。
機嫌良く話しかけてくる。
食事も旨そうに食べる。

【私はというと、安全地帯をつくることにした】
・洗濯は母がデイサービスに行く日にする
・スポンジは、自分用を別途用意し、自分の使う食器は自分で洗う
・洗った食器とスポンジは戸棚に隠す
・雨戸の件は、あきらめる
・オウム返しの質問には、誠意を持ってお答えする
・沢庵は買わない

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リタイア生活を楽しんでいます

老後のお金の悩み、親や家族のこと、社会とのつながりなど現役時代とは全く違い時々ギャップを感じます

そんな生活のなかで感じたことや、この年になって知っておかなければならないことなど時々(^^;)紹介しています