厚生年金被保険者と被保険者であった年金受給者のためのブログセミナー

「金融庁の2,000万円足りません問題」で、世の中では老後の生活資金に関するセミナーのニーズが高まっています。そこで、私もブログ上でセミナーを開催してみました(^o^)。

「2,000万円が足りない」と聞いて、あなたはどう思われたでしょうか?

年金をすでに支給されている65歳以降の世帯の方々は、もらっている年金とそれ以外の収入で生活をされているわけですから、「今更、何を騒いでいるのやら」と思っていることでしょう。

リタイア生活が目前に迫ってきている、50歳代から60歳代前半の現役会社員の世帯はでは、不安になった方が沢山いらしたのではと思います。

一方、若者は、自分たちにとっては随分先のことだと感じつつも、ネット証券の口座を開設など、資産形成に興味を示しており、自衛を始めたようです。

子供の教育費や住宅ローンを抱えている正に一番お金の必要な40歳代は、さらに老後の資金を貯めなければならないのかと、深刻になったかも知れません。

この様に、置かれた立場によって、色々な感じ方があったと思います。

あくまでも、標準世帯が2,000万円足りないと言うことです。

ならば、単身世帯や、「年金が標準より多い、又は少ない世帯」が、一体どれだけ不足なのかを正しく知る術が必要です。

それを知るには、年金制度を理解し、老後に必要な生活資金を算出してみることです。そうすれば具体的な過不足額が分かり、解決策を導き出すことが出来ます。

1.2,000万円問題の功罪

世間に不安や誤解を与えましたが、結果的には、必要な老後資金を把握し、足りない分は自助努力で補わなければならないことを国民に知らしめたことで、報告書は十分に役割を果たしたと思います。

この様な問題に発展した一因には、「老後資金の必要額の見当が付かないと」という潜在意識が、漠然とした不安に繋がり、過剰な反応を示したと言って良いでしょう。

我々は、あきれるくらい、自分の退職金額や年金額を知らなすぎるのです。

報告書が出された以降は、現役世代を中心に、NISAやiDeCoの申し込みが急増し、投資に関心が集まっていることが分かります。

この様な、「自分年金づくり」を始める人が増えてきています。

しかし、性急に行動する前に、本当に自分に適した資産形成(自分年金づくり)の方法を立ち止まって考える必要があります。

何故なら、年齢、収入、家族構成、資産額などの違いによって、お金を増やす方法が違うからです。

若い年代なら時間があるので、iDeCoが適するでしょう、60歳近ければ、iDeCoでは資産は増えないでしょう。

若い世代は、リスクテイクな投資もリカバリーの時間がありますが、高齢世帯は時間が少ないので、安全な商品を主に選択することになります。

それに加え、投資商品を販売する側のモラルの問題もあります。

手数料の高い商品ばかりを販売する姿勢や、元本保証を前面に出して、リスクを説明しない姿勢があるからです。

金融商品の販売に関する、「苦情の記事」は毎日のように見かけます。

2.知らないといけない年金制度

国民にとって最も重要な「年金制度」を、義務教育で教えてこなかったことが、様々な誤解を生み、批判を浴びてきた一因と思います。また、国民も、年金制度を理解する意欲に欠けていることもまた事実だと思います。

私は、理解が進めば、誤解は解けると思います。

2.1 年金制度の概要

「年金制度は大丈夫です」

「それ、ほんまでっか?」

「はい、年金制度は大丈夫です。何故なら、壊れないように設計されているからです」

2.1.1 その一つが、マクロ経済スライド《関連記事》

物価が上がれば支給額を増やします。平均賃金が上がれば支給額を増やします。

でも、保険料を払う現役世代の人口が減った分は、支給額を増やしません。年金を受給する人口が増えればその分も支給額を増やしません。そして、物価や平均賃金が下がれば、その分は下げます。

だから、令和元年度は、マクロ経済スライドが発動されて、平均賃金・物価が上昇したのに、たったの0.1%しか支給額が増えなかったのです(;_;)。

2.1.2 2つ目は、年金支給額は、「現役時代の50%を保障します」と言っています。

と言う事は。将来の年金額は、現役時代の50%に限りなく近づく訳です。(;_;)

もし、年金制度が危なくなれば、年金支給額をギリギリまで減らせばいいし、保険料(上限額が決まってます)も引き上げれば良いのです。

絶対に保険制度は壊れませんが、年金支給額は減っても増える事は難しいと予想されます。

ここまで読むと、年金制度に期待することは果てしなく萎んでしまったことでしょう。

しかし、もっと嬉しい事もあるのです

2.1.3 基礎年金の半分は、税金から支給

国民年金は、超々お得な保険商品とかんがえて良いでしょう。

何故かというと、国民年金の財源の半分が税金だからです(^o^)。つまり支払った保険料に上乗せして年金が支給されるのです。

言い換えれば、皆さんが日頃支払っている消費税などから回り回って戻ってくるのです。

なので、国民年金の保険料が未納(免除手続きをしていない場合)の人がいますが私には理解出来ません。

さらに、保険としての機能があります。

障害が残り働けなくなった時は、生活に困らないように障害基礎年金が生涯支給されます。

もし世帯主が亡くなった時は、残された家族が生活に困らないよう、遺族基礎年金が支給されます。

年金は生活を維持するために必要なお金を補填してくれるのです。

2.1.4 厚生年金の半分は、会社が保険料を支払ってくれている(^o^)

厚生年金保険は、給与から天引きされているので、保険料を払わない選択肢はありません。強制徴収されています(・o・)

保険料は、標準報酬月額の18.3%を労使で折半します。よって、年金の半分は会社が作ってくれています。アリガタイコトデスネ

また、国民年金保険料も自分の分と奥さんの分も含まれているので、ハッキリ言って丸儲けです。

さらに、保険料払込期間の条件を満たしていれば、障害年金や、遺族年金を受給することが出来るのです。

年金の受給期間は終身ですし、保険としての役割も十分に果たしています。

2.1.5 年齢を繰り下げて受給するほど年金額が増えるしくみがある

国民年金、厚生年金ともに、繰り下げ受給で、5年遅らせれば42%支給額が増えます。

年金が増えると税金や社会保険料も増えますがそれでも繰り下げるメリットは大きいので、長生きリスクの対策の一つになります

まとめると、年金制度は、長生きや障害になった、あるいは世帯主が亡くなった時の経済的なリスクに対応する「保険契約」といえるでしょう。

こんなに、色々な保障が付いている保険は何処を探しても売っていませんね(・o・)。

2.2 保険料を支払っている年代の実情

色々な統計から拾ってみると、

「50代の会社員で、定年退職後の必要生活費の額が分かる人は51%・自分の年金支給額を知らない人が62.6%いた」⇐ 自分に対して無頓着ですね

「74.4%が「1カ月の生活費を超える金額の運用をしたことがない」⇐ 一般に日本人は金融リテラシーがない

「老後資金の計画を立てている人は35%」⇐ 準備不足ですね

「資金を確保している人は26%」⇐ 準備不足ですね

いかに老後の資金への意識のなさや準備していないのかが分かります。

さらに、

「還暦を迎える人のうちほぼ4人に1人は貯蓄額が100万円未満であった」という記事も見つけました。

今の50歳代はとても心配な状況です。

2.3 すでに年金を受給している年代の実情

マクロ経済スライドが導入され、よっぽど物価が上昇し、平均給与がアップしない限り、今後年金額が大きく増える事はなくなりました。

一方、社会保険料は年々その負担が増してきており、生活は楽にはなりません。(こっそりと保険料等が引き上げられているのです(・д・))

年金控除額も減額される予定で、条件によっては年金の手取り額は減っていくことになりそうです。

2018年の国民生活基礎調査から、高齢者世帯の収入は61.1%が公的年金。

それ以外の収入は就労・利子・配当収入、投資によると考えられる。

ちなみに、60代後半男性53%、女性35%が就労している。

そんな中でも、公的年金だけで暮らしている世帯は51.1%います。

2.4 相続が期待できる世帯

2.4.1 相続財産が多い

極めて幸せな世帯です。心配事と言えば、相続税をどう節税するかでしょう。この世帯は、このセミナーの対象外ですね。

2.4.2 相続財産が不動産のみで、その評価額も1,000万円以下

一番相続で揉めるケースなので、現金化出来るまでに時間を要するでしょうし、親戚関係が悪化する場合もあります。一番罪作りな相続財産です。代償相続出来れば良いのですが不動産の評価額で揉めるでしょうね。

家だけは、子供たちに残してやりたいという親心が仇になることもあるのですね。親の気持ちを無にしないような相続を心がけましょう。

2.5 高所得な会社員だったほど、老後の資金が逼迫する落とし穴

その理由は、中高年になって収入が増えるに従い、生活水準は高くなって行きます。高くなりすぎた水準はリタイアしてもなかなか落とす事が出来ないからです。

厚生年金保険の制度では、その年金額は、年収が2,000万円あっても、年収1,000万円強の人と、それほど変わらないからです。なぜなら、保険料に上限があるので、当然給付額も上限があります。

1,000万円強でほぼ上限に達します。

現役時代に高給与だったからと言って、それに比例して年金が多いというのは勘違いなのです。

以下は、厚生年金の最大値の理論値ですが

もし、平成15年4月以降に就職し厚生年金保険に加入(43年間)したとして、新入社員から1,000万円の年収があったとしても、厚生年金額は246万円です。基礎年金額を78万円合わせても、324万円ほどにしかなりません。配偶者の分を合わせても400万円。これに企業年金が有ったとしても、年収2,000万円の生活をしていた頃の水準を維持できるわけがありません。

(最近、新入社員でも能力があれば1,000万円支払う会社が出てきましたが、レアケースなので無視します)

現役時代によほど多額の資産を形成し、かつ退職金の温存なくては、肥大した生活レベルを維持することは困難で、資産が不足する確率は高くなります。

3.自分のためだけの老後の資金計画とは

本セミナーで一番伝えたいこととは、回りで焦っている人たちの行動に惑わされないことです。

しっかりと自分の家計(バランスシートの作成)を見つめ、なりたい老後の姿をシミュレーション(ライフプランの作成)し、老後の生活費の必要額(キャッシュフローの作成)を知ることです。

ここが分かって初めて、投資なり保険を買うなど必要な対策を始めることが出来るのです。

そうすることが、無駄なものを買わされることも無くなります。

ここでは、老後の生活費の必要額(キャッシュフローの作成)が決まったと仮定して、資産形成に繋がる選択肢を示しました。

3.1 年齢階層別の資産形成の方法

3.1.1 若者(20歳〜40歳代前半)まだまだ時間がある世代です

・年金制度を知ること

・賢い住宅ローンの組み方

・個人年金

・投資・iDeCo(投資の知識を積む)

・節目の時(結婚・昇進・転勤・転職等)に、ライフプラン・キャッシュフローを作成する

3.1.2 40歳代後半〜65歳未満

・リタイア生活をシミュレーションしてみる(ライフプラン)

・リタイア生活に必要な資金をシミュレーションしてみる(キャッシュフロー)

・妻がパートにでる

・ねんきん定期便で、年金を意識する

・住宅ローンの繰上返済・借り換え

・将来の年金支給額を把握する(厚生年金・企業年金)

・退職金額を把握する

・DCの積極運用

・投資(株式・投資信託など)

・家計のスリム化(無駄な出費の削減)

3.1.3 65歳以降

・70歳まで働く

・年金の繰下

・生活レベルを年金支給額に合わせる

・確定申告で、所得を明らかにすることで、社会保険料の減免制度や所得税・住民税が軽減されることがある。

記述した項目以外にも、解決方法はあるでしょう。

個別の事情が分かることで、もっと良い解決策が見つかります。

セミナーに参加された方は、おそらく上記と同じ様なことを習ってきたと思います。

言い換えれば、対策の王道だからです。

しかし、あなたは割り切れない気持ちで帰ってくるかも知れません。それはあなたの問題が解決していないからです。

又は、やらなければならない事は分かった。けれど、実際に行動する方法が思いつきません。

セミナーを聴いただけでは、「さぁ、これからどうしていったら良いか」と迷うとばかりなのです。

4.まとめ

自分の家計(バランスシートの作成)を把握し、理想のリタイア生活(ライフプランの作成)が明らかになり、老後の生活費の必要額(キャッシュフローの作成)がわかりました。

(バランスシート・ライフプラン・キャッシュフローの作成方法は、ネットで検索すればすぐに見つかります)

そこで、「3.1 年齢階層別の資産形成の方法」で紹介した項目の中から、自分に必要な物を探して実行すれば良いのです。

しかし、具体的にどう手続きを進めていけばよいか分からないことは多いでしょう。

投資であれば、證券会社で口座を作る方法や、商品の購入方法、手数料が一番少ないのはどれ?といった疑問が湧いてきます。

これを克服するには努力が必要です。

自分で勉強することも大切ですが、時間が無いなら、「有志で運営している勉強会を探して参加する」、或いは「中立的な立場の第三者が行うセミナー等に通う」ことです。何故かというと、金融商品を売る方は顧客利益より、どうしても自分たちに利益の高い商品を売りたがる傾向にあり、そこに誘導するような情報に偏りがちだからです。

もし、こういう事に自信が無い、面倒くさいと思えば、専門家(FP)に依頼すればよいのです。

丁寧に説明してくれますし、具体的な方法を教えてくれます。

また、

バランスシート・ライフプラン・キャッシュフローの作成も、簡単なものであれば低コストで作成してくれますし、希望すれば、コストはかかりますが、ライフプランとそれをかなえるための、効果的なプラン作りを手伝ってくれます。